カンムリシロムク Culik Bali (Leucopsar rothschildi)国際シンポジウム

    2009年11月15日からインドネシアバリ島で、鳥類カンムリシロムクの国際シンポジウムが開かれました。このシンポジウムに本財団の日本窓口の黛が参加をしました。
    シンポジウム開催の歓迎のガムラン(ヌガラのバリバラト国立公園事務所にて)


    カンムリシロムク国際シンポジウムの会場の様子(クタ:カルティカプラザホテル)

    カンムリシロムク (Leucopsar rothschildi)は、バリ島の固有種の鳥類で、絶滅の危機にあります。現在、インドネシアでは、かつての生息地であった国立公園を管理する林業省、および、カンムリシロムク保護協会APCB、IPBボゴール農業大学、インドネシア学術協会LIPIなど、カンムリシロムクに関わる団体が参加しました。
    横浜市繁殖センターのプレゼンテーションの様子

    日本では、横浜繁殖センターがカンムリシロムクの繁殖協力をしています。遺伝情報による近親交配を防ぐ方法や、マイクロチッップを埋め込んだ行動圏調査の手法など、多くの専門的な知識および技術協力を行っています。
    ヌガラのバリバラト国立公園内の繁殖施設(放鳥された個体とトレーニング中の個体)

    西バリのヌガラにあるバリバラト国立公園にも足を運び、かつての生息地であった場所での繁殖状況、および、すでに野生放鳥した個体の確認をしました。
    既に野生放鳥された実物のカンムリシロムク(撮影:黛)

    野生繁殖が行われ、本格的に野生復帰するためにはまだ時間がかかりそうですが、今回のシンポジウムでは、各方面の専門家によって活発な意見が交わされ、今後の生息地の生態系の管理、繁殖計画、売買市場の管理、ブリーダーの規則など、それぞれ目標がたてられました。

    本財団では、カンムリシロムクのリアルな情報を高校生に環境教育として還元しながら、バリ島でのカンムリシロムクの野生復帰について今後も注目して行く予定です。